研究課題
平成24年度は、定量的透磁率マッピング(QSM)での、画像処理のために離散化した空間双極子場の効果が及ぶ範囲を制限した影響をコンピュータシュミレーションにより検討した。また、QSMでの部分容積効果を小さくする手法を検討した。ここで、QSMは磁気共鳴映像法(MRI)の位相画像から透磁率を求めて画像化する手法である。透磁率は組織中の鉄含有量と相関が強く、パーキンソン病やアルツハイマー病などにおける脳組織中の鉄沈着過程をQSMにより定量的に可視化できる可能性がある。本研究により、QSMにおいて、離散化された空間双極子場は直径15ピクセルの範囲に限定できることが分かった。また、この距離は、空間双極子場の離散化による影響から決まっていることが示唆された。これは、実際の有効な双極子場の大きさは画像の解像度に比例していることを意味する。部分容積効果に関しては、その軽減を示唆する結果が得られた。これらにより、MR顕微鏡への導入の準備を整えることができた。また、小型実験動物であるメダカを生きたまま、経時的にMR顕微鏡により観測するために、in vivoでのイメージングの準備を行なった。水温を下げることで、長時間メダカを麻痺させられることを見出し、in vivoのイメージングへの応用が可能となった。さらに、メダカの飼育スペースを大型化し、また循環集合水槽の試作を行ない、MR顕微鏡における様々な病態モデルの経時的観測が可能となる環境整備を行なった。また、MR顕微鏡における傾斜磁場コイル2組を新たに製作し、傾斜磁場の印可時における機械的振動の軽減化を図る工夫を行なった。また、RFコイルの共鳴回路でのQ値を向上させ、さらに、RFパルス送受信時のRFコイルや周りの金属体の振動による疑似信号を、RFシールドの効率向上や振動防御装置の導入により軽減した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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the proceedings of International Society of Magnetic Resonance in Medicine
巻: vol.21 ページ: 2418
the proceedings of 35th Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society
巻: 1 ページ: 1-4