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2011 年度 実績報告書

発生過程の関節軟骨の力学特性とリハビリテーションの基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22700532
研究機関島根大学

研究代表者

三浦 美樹子  島根大学, 医学部, 助教 (40447925)

キーワード関節軟骨 / 発生 / プロテオミクス解析 / 力学特性 / 軟骨マトリックス / 免疫組織化学
研究概要

前年度までに、出生前後の膝関節軟骨を用いた実験により出生前後で関節軟骨の力学特性が著しく変化する事を報告した.この時期のラット胎仔の組織像について、HE,トルイジンブルーによる組織染色、関節軟骨マーカーである、Type II collagenと線維軟骨マーカーであるType I collagenの免疫染色を行い、観察した.出生前の胎生19日目の関節軟骨と生後0目目の関節軟骨とでは、関節軟骨に特徴的な構造は見られず、力学的性質を調べた時のような劇的な変化は見られなかった.
成熟した関節軟骨組織では、細胞外マトリックスの組成が力学特性と大きく関連する事が知られている。
そこで、関節軟骨組織の構成成分の変化について、胎生19日目と生後0日目のラット関節軟骨を用いて、網羅的に発現差異蛋白質を同定した。具体的には、軟骨組織をlysis bufferで溶出したものをサンプルとし、iTRAQ試薬による標識を行い、NanoLCによる分画後、MALDI-TOF/TOF MS/MS質量分析計による分析を行った。信頼度99%以上で同定できたタンパクは約300種類に上った。タンパクの機能による分類、解析を進めている。出生前後の発現比(E19/P0)から、胎仔期に発現量が相対的に多いタンパクと出生後に発現量が多いタンパクとでは、機能別に分類するとその発現傾向が大きく変化する事が示された.すなわち、出生を挟んでその前後で、力学特性と組織のタンパク構成が著しく変化する事が示された.組織像の変化に比べ、これらの特性の変化が著しい事から、出生後に生じる重力負荷がこれらの変化に大きく影響すると考えられる。さらに、出生後の成熟までの組織構成の変化について研究を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度までの結果と合わせて、新しい知見が得られてきている。関節軟骨の性質の変化のうち、組織学的な解析だけでは十分な解析は難しいと判断し、申請時に計画していた方法と異なるが技術的に可能である事がわかったMALDI-TOF/TOF/MS/MS法を用いて、網羅的にタンパク発現をみた。当初の予定よりもさらに多くのデータを得る事ができ、さらに研究の発展につながった。

今後の研究の推進方策

今年度の研究計画の変更により、研究を推進する事ができた。今年度のデータを元に、さらに発生段階のことなるステージでの変化を追跡し、関節軟骨の成熟過程を明らかにしていく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 重力負荷が変化する出生前後のラット膝関節軟骨の軟骨マトリックスの変化2012

    • 著者名/発表者名
      三浦美樹子
    • 学会等名
      第117回日本解剖学会
    • 発表場所
      山梨山梨大学
    • 年月日
      20120326-20120328
  • [学会発表] Changing mechanical specificity of cartilage matrix between fetus and newborn animals2011

    • 著者名/発表者名
      三浦美樹子
    • 学会等名
      第44回日本発生生物学会
    • 発表場所
      沖縄沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      20110518-20110521

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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