本研究は呼吸機能と全身持久力を改善するための効果的な運動療法の発展を目指すため、呼吸運動の促進、調整、抵抗が可能な新たなトレーニングシステムを開発し、開発したシステムを健常成人に適用した時の効果を検証し、効果の機序を運動学的・生理学的に解明することを目的とする. 平成22年度は、呼吸の促進、調整の評価およびトレーニングを可能にするために、呼吸運動パターン、呼吸筋活動、換気量および、フィードバック刺激の同期測定を行うための、装置製作、機器接続を実施した. (1)現状で所持している呼吸代謝測定装置では換気量を也の装置と同期する事が困難であるため、吸気呼気弁マスク、フローセンサ、出力端子を備えた吸気量測定装置を製作した. (2)流量校正用シリンジとパワーラブシステムを使用して、製作した吸気量測定装置の測定精度の検証を実施した. (3)吸気量側定装置と動作解析装置を接続し、吸気量測定データの入力を確認し、呼吸運動との同期測定を実施した. (4)吸気補助筋である胸鎖乳突筋と斜角筋において、表面筋電図により呼吸筋活動の測定を確認した. 上記の研究実施により、フィードバック刺激の介入効果を換気応答、呼吸運動パターン、呼吸筋活動の面から評価するための測定手段を確立した.これらの手段は、介入効果の定量的評価を可能にし、より効果的な介入方法を検索することができる.さらに、フィードバックトレーニング装置の目標値測定部を兼ねる.
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