インスリン抵抗性の改善を目的とした電気刺激と熱刺激の併用効果について検討した。培養骨格筋細胞を用いた実験より、電気刺激または熱刺激を単独で実施した場合と併用した場合のいずれにおいても、インスリン感受性の亢進が認められた。しかし、それらを併用することによる加算効果は得られなかった。インスリン抵抗性モデルラットを用いた動物実験より、電気刺激を継続することで、インスリン感受性の改善が認められた。さらに、電気刺激の対象筋である大腿直筋においてheat shock protein(HSP) 72及びHSP27発現量の増加が観察された。したがって、電気刺激の継続実施は骨格筋の質的変化を引き起こしてインスリン抵抗性を改善させる効果を有することが示唆された。そして、その作用機序のひとつとしてHSPs発現量の増加により、骨格筋でのインスリン作用が促進される可能性が窺えた。
|