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2011 年度 実績報告書

運動療法への実践応用を目的とした磁気共鳴画像による活動筋評価法の改善と精度向上

研究課題

研究課題/領域番号 22700570
研究機関独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター

研究代表者

俵 紀行  独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ医学研究部, 研究員 (30344279)

キーワード骨格筋 / 磁気共鳴画像法(MRI) / 運動 / 活動様相 / 肩関節
研究概要

運動療法や筋力トレーニングの客観的な効果検証には、運動に誘発された骨格筋の活用様相を把握および評価(以下、「筋の活動評価」と記す。)が必要となる。本研究の目的は、非侵襲的な画像診断法である磁気共鳴画像法(MRI)を用いた「筋の活動評価法(以下、「本手法」と記す。)」を、実践的評価方法として確立させることである。
平成23年度は、「あらゆる筋に適応させるために必要な"本手法の改善"に関する検討」を実施した。
本手法で使用するMRIの高速撮像法はspin-echo echo-planar-imaging(SE-EPI)であるが、頸部や肩関節のような部位では"画像が歪みやすい"という問題点があるため、これらの部位への本手法の応用は困難であった。そこで、SE-EPIの撮像パラメータの中のshot numberを調整し改善を試みた。その結果、時間分解能は低下したが画像の歪みは解消できた。これらの結果を踏まえ、本手法の適応の可能性の有無を検証するため、肩関節の外旋運動における「軽度な運動に対する本手法の検出能」に関して検証を行った。1セットの内容を無理のない範囲に設定した運動負荷を10セット施行し、その都度本手法によりデータ収集を行った。その結果、肩関節の外旋運動に関与する小円筋群のみ生じた変化を1セット目から検出できた。比較対象として計測した筋断面積では、全てのセットを通じて検出できなかった。
以上の結果より、次の内容を明らかにできた。(1)前年度の研究成果により得られた知見同様、T2値を用いた本手法による急性期の軽度な運動に対する検出は、肩関節部でも可能であった。(2)ローテーターカフと呼ばれる深層部に位置する肩関節の重要な筋へのアプローチも、本手法であれば非侵襲的に評価できることが確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

従来では、MRIの撮像原理上、画像が歪みにくい部位である体幹部のへ応用のみ可能であった問題点を平成23年度の研究成果により解消することができ、応用が困難であった肩関節にも活用することができたからである。
これは、本研究の目的である、「"筋活動の非侵襲的な評価法"を、特に重要視されている体幹部や肩関節などへの応用可能な実践的評価方法として確立させる」という内容の達成に近づいていると考えている。

今後の研究の推進方策

平成23年度の研究成果により、特に重要視されている体幹部や肩関節などへの応用可能な"筋活動の非侵襲的な評価法"に関する原理的な基礎評価はほぼ達成できたと考えている。今後の推進方策としては、MRIに関する特別な知識を有していない利用者でも簡便に使えるために必要な改善に関する検討を、画像処理法の活用という観点から行う予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Muscle functional MRIを用いた筋活動の定量評価の可能性2012

    • 著者名/発表者名
      星川淳人, 高橋佐江子, 俵紀行
    • 雑誌名

      臨床スポーツ医学

      巻: 29(1) ページ: 61-66

    • 査読あり
  • [学会発表] Comparison of pulse sequences for T1 Measurement using Fast imaging2012

    • 著者名/発表者名
      Tawara N, Takahashi H, Tamura N, Niitsu M, Hoshikawa A, Nakajima K, Okuwaki T, Kawahara T
    • 学会等名
      The 17th Annual Scientific Meeting of Korea Society for Magnetic Resonance in Medicine (KSMRM)
    • 発表場所
      Incheon (Korea)
    • 年月日
      2012-03-31
  • [学会発表] 3.0T-MRI装置を用いたヒト骨格筋の横緩和時間計測における撮像方法間の比較2011

    • 著者名/発表者名
      俵紀行, 藤堂幸宏, 田村尚之, 高橋英幸, 星川淳人, 中村格子, 奥脇透, 新田牧, 来間弘展, 新津守, 伊藤彰義, 川原貴
    • 学会等名
      第39回日本磁気共鳴医学会大会
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉(福岡県)
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] 筋MR-未開の分野の現状と将来に向けて-2011

    • 著者名/発表者名
      俵紀行
    • 学会等名
      第39回日本磁気共鳴医学会大会ワークショップ
    • 発表場所
      リーガロイヤルホテル小倉(福岡県)
    • 年月日
      2011-09-30
  • [学会発表] Muscle functional MRI of exercise-induced rotator cuff2011

    • 著者名/発表者名
      Tawara N, Nitta O, Kuruma H, Niitsu N, Tamura N, Takahashi H, Hoshikawa A, Nakamura K, Okuwaki T, Itoh A
    • 学会等名
      The 19th Annual Meeting and Exhibition of International Society for Magnetic Resonance in Medicine (ISMRM)
    • 発表場所
      Montreal (Canada)
    • 年月日
      2011-05-09
  • [学会発表] Complications related to repetition time during the measurement of muscle T22011

    • 著者名/発表者名
      Tawara N, Nitta O, Kuruma H, Niitsu M, Okuwaki T, Itoh A
    • 学会等名
      The 20th Annual Meeting of Section for Magnetic Resonance Technologists (SMRT)
    • 発表場所
      Montreal (Canada)
    • 年月日
      2011-05-06

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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