研究概要 |
本研究の目的は上肢機能的リハビリにおける基本項目である到達把持リハビリを支援する肩甲骨-体幹系のロボット装具を開発することである.本年度の成果については主に以下の項目が挙げられる. 1.体幹保持装具部および股関節の能動化およびセンシング:到達把持運動は基本形は着座状態により行われる.そこで現在試作した肩甲骨-骨盤までの装着モデルを股関節まで拡張し,着座状態での到達把持動作に追従しうる機構モデルを作成した.また,股関節・体幹の駆動軸にモータおよびセンサを取付け,身体運動に対して追従させると共に,到達把持運動に対して能動的力学刺激を与えた際の運動様式の変化について測定した.このように体幹において任意の運動に対し力を加えながらの運動様式の解析はロボット装具において初めて可能となる計測の一つと考えられる,2.肩甲骨把機構の開発:療法士は患者の身体を「キーポイント」と呼ばれる部位で筋の張りなどを触覚し,患者身体を動かす.そのような手法の一つに肩甲骨把持時に腋下の筋腱を親指で圧迫刺激することで,痙性を除去するとともに神経生理学的に上肢の運動を促す.この様式に倣った肩甲骨把持ハンドの機構モデルを製作した.当初の計画通り,次年度においても本項目は引続き開発を進め,専用ロボットハンド機構として構成する計画である. 3.学会発表:バイオメカニクスにおいて最高の学会の一つである,世界バイオメカニクス会議において発表を行なった.
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