本研究は,“脳卒中片麻痺患者が安全・快適な歩行を行うための意志入力型密着式歩行補助機の開発する”ことを目的とした.脳卒中片麻痺患者は,麻痺のため膝に力が入らず屈曲時の自重の支持ができないことや足関節の背屈動作ができないため遊脚期において足先が上がらず地面に接触し転倒する.そこで本装置は,安全な歩行のために足関節の背屈・底屈動作および膝関節の伸展・屈曲動作を補助してQOL(quality of life)向上を目指す.さらに快適な生活のために衣服の下に装着できる装置を開発することで人目に気づきにくい装置にし,日常生活で使用できる装置とする. そこで本装置は,装置の骨格部分を可能な限り小型化し,その特性であるねじりばねの効果を利用して必要なタイミングで力の補助や抵抗を加える.最終的には脳卒中片麻痺患者・リハビリ患者へ適用し,長時間歩行の実現による自立支援やQOL向上を目的とする. 本年度は,本研究費の補助の最終年度に当たるため,国際学会(MTM & Robotics 2012)で“Development of a Closed-Fitting-Type Walking Assistance Device for Rehabilitation”の発表および研究報告として設計工学へ「密着型歩行補助機の小形・軽量化と支援効果の検証」を投稿および掲載(2013年 第48巻 第3号pp.144-150)した.
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