研究概要 |
これまでに行われてきた疾走速度に影響を及ぼす技術的要因についての検討は非常に多く行われ,これらの結果から,脚全体の後方スウィング速度を高めることによって疾走速度が高まる可能性が指摘されている.これらの結果は,多くの被験者を対象として相関関係等から得られた結果であり,個人の疾走速度の変化と疾走動作との関係について検討したものではない.そこで,本研究では,中学生3人および大学一年生を対象として,一年に二回の測定を三年間に渡って縦断的に実施し,個人の疾走速度の変化と疾走動作の変化との関係を検討することを目的とした.昨年度は,その二年目であった. その結果,中学生4名のうち,一名は60m走中の40m~50mの疾走速度が,一昨年度8月には7.52m/s,12月には7.87m/s,昨年度3月には8.20m/sと疾走速度が向上した.また,一名は,一昨年度8月には8.85m/s,12月には8.85m/s,昨年度3月には8.7m/sと目立った変化は認められず,さらに一名は,一昨年度8月には8.33m/s,同年度12月には8.20m/s,昨年度3月には8.13m/sとわずかに低下する傾向が認められた.なお,残りの一名は,怪我のために一昨年度12月の測定を行っていない.今後,疾走速度が向上した者,変化しなかった者および低下した者で,ブレーキカのベクトルおよび遊脚のスウィング動作を中心に検討していく. なお,大学生の三回目の測定は,被験者の都合によって5月の中旬に実施予定である.
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今後の研究の推進方策 |
まず今年度の5月中旬に大学生の秋季測定を行い,その後,中学生および大学生の秋季測定を11月の下旬に行う.当初の研究計画通り合計4回の測定を行う.そして,これ,らについての動作分析を12月中に行って,データの分析を2月までに終わらせる予定である.
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