研究概要 |
本研究では,大学院生が学習の勢いと肯定的な学習の雰囲気を生み出す指導技術や指導方略を習得するためのマイクロティーチングを作成し,その有効性を学習の勢いと学習の雰囲気に関するデータの収集・分析を通して検証する.くわえて,そのマイクロティーチシグを適用した体育授業の実習プログラムを作成および実施し,大学院生が行う体育授業における学習の勢いと学習の雰囲気に関するデータを収集・分析することによって,マイクロティーチングを適用した体育実習プログラムの有効性を明らかにする. 今年度は,昨年度検討した学習の勢いと肯定的な学習の雰囲気を生み出す指導技術,指導方略を習得するための練習の場としての,人数および対象者,時間,授業場面を制限したマイクロティーチングの有効性について検証を行った.学部生2名(マイクロティーチング実施者と非実施者の比較)を対象とした結果、適用された指導方略数の差違からマイクロティーチングの一定の効果が認められたが、学習の勢いに関するデータおよび教師の相互作用数には効果を示さなかった。学部生の教育実習の授業を対象とした場合、授業で取り扱う教材の違い、実習先の配属校の教具の状況、配属学級における授業のルーティン活動に強く影響される事が推察された。次に、マイクロティーチングを実施した大学院生1名と附属小教員1名を比較した結果,附属小教員と大学院生の授業における学習の勢いと学習の雰囲気に関するデータに差が認められないことから、「学習の勢い」と「肯定的な学習の雰囲気」を生み出すための指導方略・指導技術についてのマイクロティーチングの有効性が明らかになった。
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