本研究は冒険教育プログラムにおける集団が生み出す力や構造として“グループ効力感”に着目し、量的・質的アプローチからグループの形成過程と個々の体験プロセスの相互作用を明らかにすることを目的とした。参加者の内的プロセス“不適応状態→課題解決体験→達成・成功体験→自己効力感”は階層的重回帰分析を行い、困難な課題、それを乗り越えるための課題解決体験、そこから生じる達成・成功体験は自己効力感に影響を及ぼす体験要因であることが明らかとなった。自己効力感とグループ効力感との因果関係は、プログラム事前における自己効力感が事後のグループ効力感を有意に予測することができ、事後の予測妥当性は高いことが示唆された。
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