研究概要 |
本年度は主としてグランジュッテやライズアップ等のバレエの基本動作を計測し,キネマティクスとキネティクスの解析をおこなった.そして,一部は継続して解析中である, トウシューズ着用時に足関節のみを底屈・背屈させるライズアップ動作をおこなった.被験者はクラシックバレエ経験者(ポワント群)とトウシューズ着用経験のないモダンダンスやタップダンス等の経験者群(非ポワント群)であった,実験機材としてデジタルビデオカメラ2台とフォースプレート1台を使用した.被験者はフォースプレート上でライズアップ動作をおこなった.画像データから関節の位置座標を算出し足関節角度を求めた.フォースプレートにより得られた地面反力のデータは被験者の体重により正規化した.最大底屈角度に両群に有意差はなかった.最大鉛直地面反力は上昇局面においてのみ有意に非ポワント群が大きかった.これは足部を制御するスキルが影響したものと考えられる. また,本年度はモーションキャプチャシステムを使用し,クラシックバレエ経験のある学生の計測もおこなった.被験者は全身に反射マーカーを装着し,跳躍からの着地動作が含まれるグランジュッテやグランパディシャを主としたバレエの基本動作をおこなった.動作はバレエシューズとトウシューズの両方でおこなった.得られたデータは動作解析ソフトで処理中である.国内のバレエダンサーに関するデータは蓄積が殆どないため計測をおこなっただけでも価値があると考えられる.
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