• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

眼球運動計測を利用した運動観察に伴う空間的注意の変容過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22700624
研究機関杏林大学

研究代表者

渋谷 賢  杏林大学, 医学部, 助教 (30406996)

キーワード運動観察 / 到達把持運動 / 空間的注意 / 模倣
研究概要

昨年度と同様,テーブルを挟んで実験者と被験者が対面し,中間点にターゲットとなる把持物体を設置した.また,把持物体の左右8cmの位置にLEDをそれぞれ設置した.昨年度の研究では,観察者が実験者の把持運動を模倣する必要が無かった点を考慮し,本年度は,実験者と被験者が試行毎に交互に物体を把持すると共に,被験者が把持する腕は1試行前の実験者の運動の腕に依存していた.実験は予告音によって開始された.まず,予告音(0.5kHz)に続く運動開始音を合図に実験者がターゲットに向けて左右いずれかの腕を伸ばし,把持した.このとき,運動開始300ms後に左右いずれかのLEDが点灯した.被験者は常にターゲット中央の固視点を注視し,フットスイッチを用いて点灯したLEDに対応する選択反応を行った.次の試行では,被験者は運動開始音を合図にターゲットに腕を伸ばし,把持した.このとき,被験者が伸ばす腕は,1試行前の実験者の腕と解剖学的に対応する腕(例,右腕→右腕)もしくは鏡像関係で対応する腕(例,右腕→左腕)がブロック毎に要求された.前回と同様に,鏡像関係で腕の模倣を実施するブロックの最中に,観察者の空間的注意に大きな変化が認められると予想されたが,条件間(解剖vs,鏡像)では左右のLEDに対する反応時間に顕著な差が見られなかった.今回の実験で空間的注意への影響が見られなかった要因として,実験者と被験者の運動の同時性の問題がある可能性がある.すなわち,今回の実験では1試行毎に実験者→被験者→実験者→被験者…と運動が実施され,被験者は1試行前の実験者の運動を模倣することが求められた.このような手続きに比べ,むしろ実験者の運動に合わせて(同時に)被験者が運動を模倣する条件の方が空間的注意への影響が大きいかもしれない.今後,運動の同時性の問題を取り入れた実験を進めていく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対面する他者の到達把持運動の観察が観察者の空間的注意に影響を及ぼす可能性は認められるが,その効果が顕著に見られる条件の特定が不十分なため.

今後の研究の推進方策

今後,実験者と観察者の運動の同時性を検討すると共に,観察者の視点の違いなども考慮に入れた実験を行っていく予定である.また,空間的注意と関連が高い,ペリパーソナル・スペースに関しても他者の運動観察によって影響を受けるかを検討していく予定である.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Influence of skin blood flow on near-infrared spectroscopy signals measured on the forehead during a verbal fluency task2011

    • 著者名/発表者名
      T.Takahashi, Y.Takikawa, R.Kawagoe, S.Shibuya, T.Iwano, S.Kitazawa
    • 雑誌名

      NeuroImage

      巻: 57 ページ: 991-1002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 利き手の神経基盤2011

    • 著者名/発表者名
      大木紫・渋谷賢
    • 雑誌名

      臨床神経科学

      巻: 27 ページ: 666-669

  • [学会発表] Influence of skin blood flow on near-infrared spectroscopy signals during a verbal fluency task2011

    • 著者名/発表者名
      T.Takahashi, Y.Takikawa, R.Kawagoe, S.Shibuya, T.Iwano, S.Kitazawa
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 41st annual meeting
    • 発表場所
      Washington
    • 年月日
      2011-11-14
  • [学会発表] Localized remapping of peripersonal space toward object induced by prehension2011

    • 著者名/発表者名
      S.Shibuya, N.Momose, T.Takahashi, Y.Ohki
    • 学会等名
      Society for Neuroscience 41st annual meeting
    • 発表場所
      Washington
    • 年月日
      2011-11-13
  • [学会発表] 到達把持運動に伴う身体近傍空間の変化2011

    • 著者名/発表者名
      渋谷賢・百瀬修久・高橋俊光・大木紫
    • 学会等名
      日本神経科学学会第34回大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011-09-17
  • [学会発表] 到達運動を用いた頚髄症患者の運動機能評価2011

    • 著者名/発表者名
      大木紫・五十嵐一峰・佐野秀仁・高橋雅人・市村正一・里見和彦・渋谷賢
    • 学会等名
      日本神経科学学会第34回大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] リーチング運動を用いた頚髄症患者の運動機能評価2011

    • 著者名/発表者名
      五十嵐峰・渋谷賢・市村正一・里見和彦・大木紫
    • 学会等名
      随意運動の調節機構とその病態生理研究会
    • 発表場所
      東京都医学総合研究所
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] 文字流暢性課題時のNIRS信号への皮膚血流の影響2011

    • 著者名/発表者名
      高橋俊光、滝川順子、川越礼子、岩野孝之、渋谷賢、北澤茂
    • 学会等名
      脳と心のメカニズム第12回夏のワークショップ
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2011-08-21
  • [学会発表] 文字流暢性課題遂行時の前額部NIRS(近赤外スペクトロスコピー)信号への皮膚血流の影響2011

    • 著者名/発表者名
      高橋俊光、滝川順子、川越礼子、岩野孝之、渋谷賢、北澤茂
    • 学会等名
      日本光脳機能イメージング研究会第14回大会
    • 発表場所
      星陵会館
    • 年月日
      2011-07-23

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi