研究課題/領域番号 |
22700628
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
釜崎 太 明治大学, 法学部, 専任講師 (00366808)
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キーワード | サッカーの変容 / フースバル / 体操遊戯 / コンラート・コッホ / トゥルネン=スポーツ抗争 |
研究概要 |
平成23年度は、平成22年度に研究したコンラート・コッホとオウグスト・ヘルマンによって作成されたルールブックの分析とその変容過程がもっていた「遊戯運動」史上の意義について公表した(スポーツ文化のドイツ的変容)。 さらに、予定では、平成22年度の研究成果を踏まえ、身体論をベースに、ブラウンシュヴァイクの「遊戯運動」におけるドイツ「国民性」の変容と「市民性」の萌芽の過程を「ドイツ土着のスポーツ的変容」の視点から明らかにした論文を公表すると同時に、「セダン祭」に踏み込んで分析することになっていた。しかしながら、上述したルールブックの変容過程と比較考察するのに際して必要な、「ドイツ土着の遊戯文化」における「身体」と「国民性・市民性」との関係が必ずしも明確にはなっていなかったため、平成23年度は、ドイツ土着の遊戯文化における「身体」と「国民性・市民性」の関係について検討した。その結果、市民を取り込んでいたヤーンの体操遊戯が単なる「遊び」ではなく、祖国防衛を中心とした物語を身体で演じる役割遊戯であったこと、そのなかで、ドイツ国民の記憶が市民の身体に刻まれていったことなどを明らかにした。 平成24年度は、以上の研究成果を踏まえ、「フースバルの誕生」と題して、近代ドイツ・ブラウンシュヴァイクの遊戯運動における「国民性」と「市民性」の変容について描き出したい。特にヤーンの役割遊戯にみられた「国民性」と「市民性」がどのようなかたちで変容し、どのような意味で新しい「国民性」と「市民性」を生み出していったのか、「セダン祭」と「地域クラブ」との関連で明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要にも記したように、ドイツ土着の遊戯文化における「身体」と「国民性」・「市民性」の関係をあらたに位置づけなおす必要が生じたため、昨年度はその位置づけを探究することに当初の計画よりも多くの時間を割かざるをえなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
ドイツ土着の遊戯文化における「身体」と「国民性・市民性」の位置づけを踏まえ、今年度は「フースバルの誕生」と題して、これまでの研究成果を総括しながら、近代ドイツ・ブラウンシュヴァイクの遊戯運動におけるドイツの「国民性・市民性」を「セダン祭・地域クラブ」との関連で明らかにする。
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