研究課題/領域番号 |
22700639
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研究機関 | 大阪体育大学 |
研究代表者 |
尾関 一将 大阪体育大学, 体育学部, 講師 (90535113)
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キーワード | バックプレート付スタート台 / 女子競泳選手 / ブロックタイム / 跳び出し水平速度 |
研究概要 |
本研究の目的は,大学女子競泳選手を対象にバックプレートの有無によるスタートパフォーマンスの違いについて検討することである.被験者は大学水泳部に所属する女子競泳選手10名であった.電気的に同期された3台のCCDビデオカメラ(60fps)を陸上および水中に設置し,スタート局面を撮影した.映像から実長換算法を用いて各種運動学的変量(ブロックタイム,15m通過時間,跳び出し水平速度,跳び出し角,跳び出し姿勢角,入水角,入水姿勢角,入水迎え角,飛距離)を算出し,対応のあるt検定を用いバックプレートの有無による運動学的変量の違いを比較した. キックスタート(K)はトラックスタート(T)と比べ15m通過時間(sec)は有意に短かった(K:7.60±0.29,T:7.70±0.26,p<0.01)また,各運動学的変量を比較すると,キックスタート(K)はトラックスタート(T)と比べスタートシグナルからスタート台からの足離れの間のブロックタイム(sec)は有意に短かった(K:0.73±0.04,T:0.76±0.04,p<0.05).また跳び出し水平速度(m/s)は有意に大きかった(K:3.95±0.16,T:3.85±0.10,p<0.05).これらの結果から,大学女子競泳選手においてもキックスタートは,従来のトラックスタートと比較するとスタート局面時間が短縮することが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スタート台の違いによって生じるパフォーマンスの違いを運動学的変量を用いて明らかにすることで、スタートブロックによってスタート動作がどのような影響を受けるかを明らかにすることはできたものの,被験者の体力特性によって影響が異なることが明らかになった. これらの得た知見だけでは新たなスタート方法を提案することが出来なかったため,性別が異なる被験者を用いて追加実験を行った.
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今後の研究の推進方策 |
初年度に行った実験で得た知見だけでは新たなスタート方法を提案することが出来なかったため,性別が異なる被験者を用いて追加実験を行った.その結果,性別や年齢などの体力特性を考慮したスタート方法の提案が必要であることが明らかとなった. 今後,今まで得た研究成果を参考に体力特性に応じたスタート方法を提案し,被験者への介入実験を行っていく.
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