本研究では、身体特性(形態および筋力)が跳動作・走動作の技術におよぼす影響を検討することを目的とした。様々な競技を専門とするアスリート21名を被験者とし、立ち幅跳びおよび7 m/secの走動作と形態特性や最大下肢関節筋力との関係を検討した。その結果、立ち幅跳び踏切動作における各下肢関節のピークパワーは当該関節の最大筋力とは相関がなく、腕振りなどの技術的要素が下肢関節パワーの大小に影響していた。走動作については他人の形態特性を適用して仮想的に走効率を求めても、被験者間の走効率の大小関係は逆転しなかった。技術すなわち目標とすべき動作は、形態や筋力の影響を必ずしも大きく受けないと考えられる。
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