本研究では、細胞内における乳酸産生が、ミトコンドリアの膜に局在するエネルギー基質輸送タンパク質(Mitochondria Monocarboxylate Transporters : MitMCT)にどのような影響を与えるのかについて検討を行った。産生された乳酸は、細胞質でピルビン酸に形を変え、ミトコンドリアに流入すると理解されている。本研究では、実験動物を対象として、解糖系活性剤(AICAR)を投与し、細胞内の乳酸産生を亢進させることで、MitMCTsの適応変化(増減)を検討した。またミトコンドリアについても、その細胞内局在から2種類に分けて検討を行った。結果から、代謝能力の異なる2種類の骨格筋線維では、AICAR投与に対する適応が異なる結果が得られた。MCTのisoformでは、特にMCT2について特徴的な変化がみられた。
|