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2010 年度 実績報告書

遅筋線維におけるオートファジーの役割とその分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22700656
研究機関順天堂大学

研究代表者

古屋 徳彦  順天堂大学, 医学部, 助教 (50401188)

キーワードオートファジー / 骨格筋 / 筋萎縮 / Atg7ノックアウトマウス / ミトコンドリア / Parkin / ヒラメ筋 / マイトファジー
研究概要

廃用性筋萎縮におけるオートファジーの寄与を明らかにする目的で、対照マウスおよび骨格筋特異的オートファジー不能(Atg7KO)マウスに座骨神経切除を施し、下肢骨格筋(腓腹筋、足底筋、ヒラメ筋)の萎縮の解析を行った。速筋である腓腹筋、足底筋は対照マウスおよびAtg7KOマウスともに同様な萎縮を呈したが、遅筋であるヒラメ筋は除神経7日目において、有意に萎縮の寛解が認められた。ヒラメ筋では速筋と比較して、オートファジー関連分子の発現が高く、除神経後にそれらの発現は亢進していた。一方で、筋萎縮に関わるユビキチンリガーゼMuRF1の発現は速筋と較べて低く、除神経によってもそのタンパク質レベルに変化は見られなかった。これらのことから、ヒラメ筋の除神経萎縮において、オートファジーの寄与が速筋と比較して大きいことが示唆された。
Atg7KOマウスのヒラメ筋では、その遺伝子の変異が若年性パーキンソン病の原因となることが報告されているユビキチンリガーゼParkinの発現が亢進していた。また、対照マウスにおいて除神経後にParkinの発現亢進が認められた。Parkinはダメージを受けたミトコンドリアの除去に機能しており、Parkinが局在するミトコンドリアの除去はオートファジーによって行われる(マイトファジー)。除神経したAtg7KOマウスのヒラメ筋において、マイトファジーによるミトコンドリアの除去が起こらないことが萎縮の寛解を引き起こしているのではないかと推測し、検討した。除神経したAtg7KOマウスのヒラメ筋において、Parkinが局在する断片化したミトコンドリアの蓄積が観察された。また除神経したParkin欠損マウスのヒラメ筋においてもAtg7KO同様、萎縮の寛解が認められた。以上のことより、ヒラメ筋の萎縮過程には、オートファジーによるミトコンドリア除去が重要であることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 骨格筋萎縮過程におけるオートファジーの役割2010

    • 著者名/発表者名
      古屋徳彦
    • 学会等名
      平成22年度特定領域「タンパク質分解」班会議
    • 発表場所
      シャトレーゼガトーキングダムサッポロ(札幌)
    • 年月日
      2010-11-17
  • [学会発表] Autophagy is involved in slow skeletal muscle atrophy2010

    • 著者名/発表者名
      古屋徳彦
    • 学会等名
      第62回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪)
    • 年月日
      2010-05-21
  • [備考]

    • URL

      http://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/seikagaku_saibo_seigyo/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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