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2010 年度 実績報告書

脂肪組織の可塑性とアドレナリン受容体・グルココルチコイド受容体発現との関連

研究課題

研究課題/領域番号 22700664
研究機関早稲田大学

研究代表者

谷端 淳  早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (00508426)

キーワード脂肪分解 / クレンブテロール / デキサメタゾン / アドレナリン受容体 / グルココルチコイド受容体 / 精巣周囲脂肪組織 / 腎周囲脂肪組織 / 褐色脂肪組織
研究概要

[目的]β_2-アゴニストのClenbuterol (CLE)と合成glucocorticoid・Dexamethasone (DEX)の両薬物は腎周囲脂肪組織では共に脂肪分解を惹起させる。しかし、精巣周囲脂肪組織ではCLE投与により脂肪分解が、DEX投与により脂肪合成が惹起させるという報告があり、各種脂肪組織に対するCLEとDEXによる応答性については系統的に明らかにされていない。この応答性の違いがCLEとDEXの受容体であるアドレナリン受容体(adrenoceptor : AR)とグルココルチコイド受容体(glucocorticoid receptor : GR)の遺伝子発現がいかに関与しているかを検討した。
[方法]CLEとDEXをラットにそれぞれ10日間投与(dose=1mg/kg body weight/day)し、精巣周囲脂肪(periepididymal : PED)、腎周囲脂肪(perirenal : PRE)、褐色脂肪(brown)組織の各重量と各種β-AR (β_<1-3>-AR)やGRの発現量を調べた。
[結果]CLE投与によりPED,PRE各重量は減少したが、β_<1-3>-AR、GRの発現は変化がなかった。Brownの重量は変化がなかったがβ_3-ARとGRの発現量が優位に上昇した。一方、DEX投与によりPED重量は増加、PRE重量は減少した。DEX投与による受容体遺伝子発現はPEDではβ_1-ARの発現が上昇、β_2-ARは減少、PREではβ_1-AR、GRが上昇、Brownではβ_1-,β_3-AR、GRが上昇し、β_2-ARは減少した。
[考察]CLE、DEX投与による脂肪組織重量と各種AR、GRの遺伝子発現は脂肪組織ごとに異なることが明らかとなった。今後、脂肪分解反応を考えるうえで肥満ラットを用いて同様の検討を行うことが必要であり、脱共益型タンパク質(uncoupling protein)との関わりも検討する必要がある。また、CLE,DEXが脂肪組織の可塑性に及ぼす影響を検討することは体力科学、運動生理学、予防医学の観点からみても重要であると考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effects of dexamethasone on the expression of beta adrenoceptors and glucocorticoid receptor mRNAs in white and brown adipose tissues of rats2010

    • 著者名/発表者名
      谷端淳、佐藤章悟、立屋敷かおる、今泉和彦
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2010-05-21

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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