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2010 年度 実績報告書

暑熱下運動時に特有な換気亢進反応のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22700667
研究機関静岡県立大学短期大学部

研究代表者

林 恵嗣  静岡県立大学短期大学部, 講師 (00431677)

キーワード深部体温 / 換気量 / 皮膚血管拡張 / 性周期 / 性差 / 呼吸
研究概要

本年度は、女性の性周期や性差が体温上昇にともなう換気亢進反応に及ぼす影響について検討することを目的として、実験を行った。
被験者は性周期の安定している健康な女性10名と健康な男性8名であった。実験では、最高酸素摂取量の測定と暑熱下運動テストを行った。暑熱下運動テストでは、環境温25℃、湿度50%に設定した室内で最高酸素摂取量の50%に相当する強度の自転車運動を行った。運動中、食道温、換気量、皮膚血流量、心拍数などを測定した。実験で得られた換気量の値を食道温に対してプロットし、食道温上昇に対する換気量の変化を評価した。また、女性においては、皮膚血流量の値を食道温に対してプロットし、皮膚血管拡張反応を評価した。
運動中の食道温は、性周期間で比較すると黄体期で卵胞期よりも高く、性差間で比較すると運動後半に男性で女性(卵胞期および黄体期)よりも高かった。換気量は、性周期間で比較すると黄体期で卵胞期よりも高く、性差間で比較すると男性で女性(卵胞期および黄体期)よりも高かった。食道温に対して換気量をプロットし、直線回帰分析を行った結果、回帰直線の傾きおよび切片に差はなかった。また、運動5分時の換気量の値を100%とした相対値を用いて直線回帰分析を行っても、傾きや切片に差は見られなかった。皮膚血管拡張反応に関しては、黄体期で卵胞期よりも皮膚血管拡張の深部体温閾値が高くなった。
深部体温上昇に対する換気量の反応には性周期や性差による違いが見られないが、皮膚血管拡張反応においては性周期で違いが見られることが示された。これらのことから、深部体温上昇による換気亢進反応には性周期や性差による違いがほとんど見られないこと、皮膚血管拡張反応とは反応が異なることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effect of CO_2 on the ventilatory sensitivity to rising body temperature during exercise.2011

    • 著者名/発表者名
      Keiji Hayashi, Yasushi Honda, Natsuki Miyakawa, Naoto Fujii, Masashi Ichinose, Shunsaku Koga, Narihiko Kondo, Takeshi Nishiyasu.
    • 雑誌名

      Journal of Applied Physiology

      巻: 110 ページ: 1334-1341

    • 査読あり
  • [学会発表] 性差が深部体温上昇に対する換気亢進反応に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      林恵嗣, 川島孝予
    • 学会等名
      第65回日本体力医学会大会
    • 発表場所
      千葉商科大学(千葉県)
    • 年月日
      2010-09-18
  • [学会発表] 性差・性周期が暑熱下運動時の換気反応に及ぼす影響2010

    • 著者名/発表者名
      林恵嗣, 川島孝予, 鈴木裕一
    • 学会等名
      日本生理人類学会第62回大会
    • 発表場所
      大阪国際大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-05-15
  • [図書] 体温II-体温調節システムとその適応-2010

    • 著者名/発表者名
      井上芳光, 近藤徳彦
    • 総ページ数
      131-140
    • 出版者
      ナップ

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公開日: 2012-07-19  

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