研究概要 |
社会福祉法人いなほ会(保育児童数約150名:さいたま市桜区)と協力し,4~5歳の幼児30名に対して,午睡時間のコントロール調査を行った.午睡時間を通常時(約2時間)および抑制時(約1時間)で,それぞれ2週間実施したのち,CBCLアンケート調査票により問題行動量の変化を抽出した.その結果,午睡時間の抑制が多くの問題行動を減少させる結果となり,研究代表者らが行った先行研究(2~4歳児の午睡時間コントロール調査)の結果を支持しするのものであった.これらの結果については,平成23年度の日本発育発達学会大会等で報告する予定である. また,午睡時間量と活動傾向,および精神的状態(問題行動量)との関連を明らかにするために,行動量計(オムロン社製;HJA-350IT)を幼児に装着させてパイロット的に記録を進めてきた.これは,とくに平日と休日の生活リズムの違いが,精神的状態に対してどのような影響を与えるのかを明らかにするためのものである.予備解析によれば,平日は生活リズムが比較的固定されており,活動量も大きな差がないが,休日は活動量に大きな差が見られた.これは休日の過ごし方に拠るもので,「外出した」と回答があっても,車なのか徒歩なのか,さらにはドライブなのか現地で遊ぶのがメインなのかで活動量は大きく異なり,平均的には休日よりも平日の活動量が多かった.休み明けに精神的に不安定になりがちだという聞き取り調査の回答もあり,これらを踏まえて,次年度には,調査規模を拡大して関係性を明らかにしていく予定である.
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