研究概要 |
【目的】我が国におけるがん情報の取得度、がん情報取得の関連要因、および取得者の取得情報源と取得内容について検討した。【方法】社会調査会社に登録している20~69歳の成人男女を対象に調査を実施した。調査項目は、がん情報取得の有無、取得者の情報源・取得内容、今後の取得希望内容、がん情報取得の関連要因 [がん既往歴、家族歴および友人知人の罹患歴、社会人口統計学的要因 (性別、年齢、婚姻状況、教育歴、就労状況、世帯収入) ] であった。回答に不備のない3,058名を分析対象に、ロジスティック回帰分析を用いて情報取得状況と各変数の関連を検討した。【結果】がん情報を取得している者の割合は、全体の46.7%であった。がん情報取得に関連する要因は、女性 (OR=1.97)、 40代 (OR=1.54)、50代 (OR=2.27)、60代 (OR=3.83)、大学卒以上 (OR=1.48) である者ががん情報を取得していた。また、がん既往歴 (OR=3.52)、家族歴 (OR=1.57)、友人知人の罹患歴 (OR=2.09) のある者、健康状態が良いと回答した者(OR=1.23) がそうでない者よりも取得度が高かった。情報取得者の主な情報源は、テレビ・ラジオ (68.4%)、インターネット (63.7%)、新聞 (43.3%) で、情報取得者の半数以上がマスメディアを通じて情報を得ていた。取得内容は、検診、症状、治療に関するものが多く、今後取得したい情報は、検診、症状と同等に予防に関する内容も多かった。【結論】我が国のがん情報取得者は約半数で、主にマスメディアを通じて、検診、症状、治療に関する情報を多く取得していた。一方で、がん予防情報の取得者と取得希望者の割合にギャップがあることから、今後は、マスメディアを活用したがん予防情報の普及に関する支援方策について検討していく必要がある。
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