本研究では、中高年者を対象に、大腸がんに対する身体活動の予防効果に関するリテラシーを向上させ、身体活動実施への動機付けを高めるためのヘルスコミュニケーションを駆使した効果的な支援方策を提案するため、(1)がん情報の取得状況およびその関連要因、(2)身体活動による大腸がん予防効果の認知度およびその関連要因、(3)大腸がん予防に対する推奨身体活動量充足者の割合とその関連要因について検討した。その結果、がん予防に関する情報を取得している者の割合が低いことが、大腸がんに対する身体活動の予防効果を認知している者の割合の低さを反映している可能性が考えられた。本研究結果より、身体活動による大腸がん予防効果へのリテラシーを高め、身体活動の行動変容を促す効果的な普及戦略を構築する際に着目すべき観点が明確となった。
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