研究概要 |
乳塩基性タンパク質(MBP)を1日、40 mgを摂取し、歩数および運動持続時間3METs(metabolic equivalents)による毎日の身体活動が前腕の骨密度(BMD : bone mineral density)と音響的骨評価値(OSI : osteosonic idex)を用いた骨代謝に及ぼす効果を調べるため、1年間の無作為化比較試験を行った。対象者は65~86歳の女性79人である。MBPは、オステオカルシンや骨特異的アルカリホスファターゼに影響を及ぼさなかった。しかし、デオキシピリジノリンの尿中排泄とI型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTx : type I collagen cross-linked N-telopeptides)は対照群より実験群の対象者において有意に少なかった。また、介入群において、12ヶ月後、BMDは維持され、OSIは1.5%増加した。年齢、ベースラインの骨のパラメータとしてオステオカルシン、デオキシピリジノリン、NTxとOSIを調整した結果、歩数> 7, 000~8, 000歩/日かつ/または中強度(> 3METs)活動時間> 15~20の活動維持との有意な関連が確認された。MBPは骨吸収のマーカーを減少させることが確認され、特に下肢で顕著であった。さらに、骨吸収の減少の場合、MBP摂取(療法)は習慣的な身体的活動と有意な交互作用がみられ、中強度の持続的な運動との関連が確認された。
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