本研究は、食の孤立が問題となっている高齢期を対象ライフステージとし、高齢者が地域包括支援センター等で開催されている介護予防教室に参加すると同時に、教室の前後に給食を摂取することにより、共食(誰かと一緒に食事をすること)が高齢者の健康に寄与することを明らかすることを目的とした。共食により、栄養摂取と社交を同時に行うことができる。具体的には、共食あり群となし群において、参加者の身体計測値、体力測定値、共食満足度、食事内容、および外出状況から評価する。本年度は、介入研究を実施する前段階として共食に関する先行研究の文献調査を行い、調査方法および調査・測定項目の妥当性の検証を行った。この作業の中で、共食をコミュニティ作りのひとつとして実施している事業はあるが、共食そのものの効果を評価している研究が少ないこと、および共食する食環境についての実験研究は社会心理学分野が主流であったが、近年になり栄養学関係の学術雑誌においても実験研究の結果が報告されていることを確認した。現在は、介護予防教室を開催し、介入研究の結果を収集しているところである。
|