研究課題/領域番号 |
22700719
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研究機関 | くらしき作陽大学 |
研究代表者 |
諸岡 浩子 くらしき作陽大学, 食文化学部, 講師 (00412221)
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キーワード | 家庭科教育 / シティズンシップ教育 / ドイツ / 環境教育 |
研究概要 |
本研究は、家庭科教育におけるシティズンシップ教育の在り方について国際的視点から分析し、日本の家庭科教育への導入と展開をめざすことを目的とする。そこで、市民の環境に対する配慮行動などから、シティズンシップが育っているといわれるドイツのシティズンシップ教育の現状と事例から、特に個人の生活活動を視点としたシティズンシップ教育の扱いについて、聞き取り調査、カリキュラム研究、教育実践研究等から分析したうえで、日本の家庭科教育での授業案の作成を行う。 本年度は、ドイツの大学にて研究者からの聞き取り調査、文献収集を行い、学校教育だけではなく、一般的なシティズンシップ教育の理論について把握することを目的とした。渡独では、ベルリン自由大学のデ・ハーン教授と生活学領域の研究をおこなっているパーダボン大学のシュレーゲル・マーティス教授の研究室に協力を要請し、シティズンシップ教育を専門とした研究者らから聞き取り調査を行った。その結果、ドイツでは、持続可能な社会の構築を目指した教育"Bildung furnachhaltige Entwicklung(BNE)"のプロジェクトにおいて、シティズンシップ教育を学校と地域連携で推進している先進事例があることが分かった。実際の学校教育現場においてシティズンシップ教育を推進していくうえで、教員の専門性と教育力の限界が指摘されている。そこで教員以外の専門家の支援を積極的に進めていくためには、このプロジェクトのように地域の人材をどのように活用しているか、その活動内容について吟味していく必要がある。したがって、このようなプロジェクト活動を通して、学習者と指導者の意識改革がどのように行われているのか、さらにプロジェクトの詳細を見ていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、学校教育での実践事例の収集を行うため、初等・中等教育の学校施設、教員研修を実施している教育委員会および関連施設にて現地調査を行う予定でいたが、日程が合わず学校機関の休暇期間に渡独したため、現地での現場視察ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現地での学校視察は、日程を調整することがかなり困難である。そのため、現地の教育関係者や研究者との連絡を密にとりながら、海外視察の日程を早い時期に計画する。また、どうしても日程が合わないときは、後日、プロジェクト実施者や教員にインタビューを行い、その時の様子などの写真やデータをいただき、その時の様子がわかるようにする。
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