本研究は、「選択的夫婦別姓制度」の導入による民法改正が実現した場合、別姓を選択した家族への影響を考察することを目的としている。特に、子どもが成長するうえでのアイデンティティ形成と氏の関係を質問紙調査、子どもの文字選好実験、親の離婚や再婚等で改姓を経験した子ども(18歳以上)へのインタビュー調査などを行い、検証した。 その結果、幼い子どもたちの多くは、自分の氏名から文字に興味関心を持つ。また、離婚や再婚を経験し成長した子どもにとって、氏の変更は周囲へ説明する煩わしさを感じる一方で、実生活を優先に考える傾向が見られ、家族や個人の氏への執着は低く、実際の家族関係を優先するという傾向が見られた。
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