研究課題/領域番号 |
22700729
|
研究機関 | 西日本工業大学 |
研究代表者 |
八木 健太郎 西日本工業大学, デザイン学部, 准教授 (30352222)
|
キーワード | 集落 / 瀬戸内海 / 離島 / 二拠点居住 / 限界集落 |
研究概要 |
平成22年度に引き続き、瀬戸内海の離島集落における二拠点居住形態の実態について、研究対象として選択した広島県三原市小佐木島において、現地調査・ヒアリング調査を実施した。調査を実施した期間は、お花見会・草刈りといった島民が関わるイベントや、多くの帰省者が訪問するお盆の期間中であり、島の集落関係者の訪問傾向について、調査を実施し、その実態を把握し、分析した。 平成23年度においては、本研究の第一の目的である、二拠点居住の発生のメカニズムを明らかにするという目的に沿って、平成22年度に得られた成果である、二拠点居住の実態の把握に加えて、島の関係者が二拠点居住に移行する可能性について、訪問傾向や、今後の意向について中心的にヒアリングと分析を行なっている。 その結果、島に籍をおかずに島を訪問している集落居住者の関係者がどのような属性をもっているのか、また、彼らがどのような頻度で島を訪問し、また今後島との関係をどのように考えているのか、といった点について、詳細な実態が明らかになった。この成果については、2011年度日本建築学会において、二編の論文にまとめられ発表されている。 また、平成23年度の調査を通して、本研究の第二の目的である、異なる世代の異なる生活スタイルを、世代間で受け継ぎつつ集落活動が継続する可能性の検証についても、訪問傾向の変化に関する実態調査やヒアリングを通じて把握しつつある。これについては、長期的な変化の兆しや傾向を把握する必要があることから、平成24年度も継続して調査を進めるものである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に示した第一の目的はおおむね達成されていると言える状況であり、第二の目的についても検証を進めつつあることから、平成24年度の調査・研究活動を通して、二つの目的はほぼ達成可能であると考えられる。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の進捗状況は順調であり、平成24年度において研究計画を変更すべき点は特にない。 平成24年度においては、これまでの調査をふまえ、現地調査を通じて継続的な島の関係者の生活パターンの把握をすすめる。過去二年間の研究成果と、平成24年度の調査による新たな知見をあわせ、本研究の掲げた二つの目的に対する調査結果を総合的に検証し、学術論文としてとりまとめ、発表することとする。
|