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2010 年度 実績報告書

焙煎処理による茶葉ポリフェノール成分の新規褐変反応機構

研究課題

研究課題/領域番号 22700734
研究機関長崎大学

研究代表者

松尾 洋介  長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (10432981)

キーワード食品 / ポリフェノール / 褐変反応
研究概要

ほうじ茶の製造工程において重要な焙煎処理の際に起こるポリフェノール成分の化学変化を解明するために、茶葉中に最も多く含まれるポリフェノールであるエピガロカテキンガレート(EGCg)と共存成分との混合状態における加熱処理生成物を分離し、その化学構造を解析した。その結果、EGCgと茶葉中に最も多く含まれるアミノ酸であるテアニンとの共存下加熱処理したところ、EGCgのA環7位水酸基とテアニン由来のアミノ基との間でアミノカルボニル反応が起こることにより、6種の縮合生成物が得られた。そのうち2種はEGCgのA環がp-キノン構造へと変化した赤色色素であり、このような色素の生成が茶葉の焙煎による色調の変化に大きく寄与していることが示唆された。さらにEGCgとグルコースとの共存下加熱処理したところ、グルコースの1位とEGCgのA環8位または6位が縮合した生成物が得られた他、EGCg2分子とグルコース1分子が縮合した生成物も得られた。一方、EGCg、テアニン、グルコースの3種混合系において加熱処理したところ、これまでの生成物とは異なる化合物が生成した。まずテアニンとグルコースとの間でアミノカルボニル反応が起きて、ストレッカー分解によりテアニンストレッカーアルデヒドを経て1-ethyl-5-hydroxy-2-pyrrolidinoneが生成後、EGCgのA環8位と縮合することによって生成したと考えられる。以上のように、茶葉の焙煎処理による、ポリフェノール成分と共存成分との縮合機構を解明することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Production and degradation mechanism of theacitrin C, a black tea pigment derived from epigallocatechin-3-O-gallate via a bicyclo[3.2.1]octane-type intermediate2011

    • 著者名/発表者名
      Yosuke Matsuo, Yan Li, Sayaka Watarumi, Takashi Tanaka, Isao Kouno
    • 雑誌名

      Tetrahedron

      巻: 67 ページ: 2051-2059

    • 査読あり
  • [学会発表] 茶葉の焙煎加工におけるエピガロカテキンガレートとグルコースとの縮合反応2010

    • 著者名/発表者名
      國平雄士、松尾洋介、田中隆、河野功
    • 学会等名
      日本生薬学会第57回年会
    • 発表場所
      徳島県徳島文理大学
    • 年月日
      2010-09-25
  • [学会発表] Condensation reaction of epigallocatechin-3-O-gallate with theanine during the roasting process of green tea leaves2010

    • 著者名/発表者名
      Yuji Kunihira, Yosuke Matsuo, Takashi Tanaka, Isao Kouno
    • 学会等名
      7th Tannin Conference (In 58th International Congress and Annual Meeting of Society for Medicinal Plant and Natural Product Research)
    • 発表場所
      ドイツベルリン自由大学
    • 年月日
      2010-08-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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