糖尿病を合併した母親から生れた子供への影響を検討してきたところ、妊娠期の食事が胎児に著しい影響を与えることが分かってきた。本研究では、心疾患に効果があるエイコサペンタエン酸(EPA)を与え検討を行った。その結果、糖尿病ラットから生まれた子供では血糖値などの生化学的所見は正常であったが、心臓においてシグナル異常が認められた。しかし、母親が妊娠期にEPAを摂取することにより、シグナル異常を改善することが示された。さらに、網羅的遺伝子解析及びタンパク質の糖化解析を行った結果、EPAは胎児期の子供の心臓の糖化の抑止および抗酸化防御機構の発現によりこれらのシグナル異常を改善する可能性が示唆された。
|