炎症性腸疾患時の腸管ペプチド輸送担体(PEPT1)の発現異常機構を調べる目的で、ヒト腸管Caco-2細胞単層培養系を用いて検討した結果、サイトカインのIL-6およびTNF-αがPEPT1の発現をmRNAレベルで調節していた。リポ多糖刺激により、PEPT1たんぱく質の有意な低下がみられ、これはたんぱく質の合成低下、あるいは分解亢進によることが示唆された。また、酸化ストレス負荷下において、PEPT1 mRNAは低下し、細胞間接着の低下が関わると考えられた。一方、大腸炎ラットにおいて食餌が血液指標などに与える影響を検討したが、ペプチド食の特異的な影響はみられなかった。
|