研究概要 |
本研究では、ロボットを構成する要素を、大学教育における学科と関連付け、(1)機械系、(2)電気系、(3)情報系、と3つに大別し、それぞれについてものづくりとしてのプラットフォームを構築していく。これまで、まず、機械系に焦点を当て、構造開発におけるボトルネックを明らかにし、3DCADとしてGoogleSketch Upを利用したシステム構築を行い、評価を行った。 2年目である本年度は、電気系に焦点を当て開発におけるボトルネックを明らかにし、支援ツールの開発を行った。ロボットにおいて電気系の対象となる範囲は、電子回路設計及び製作である。具体的な開発工程は、(1)電子回路設計、(2)ブレッドボードによる動作試験、(3)専用基板の設計、(3-1)基板製作、(3-2)基板への部品実装、(3-3)動作試験と進めることになる。この中で作業工数が多く、また、改善の余地がある部分が(3),(3-1)の専用基盤の設計から製作に至る部分である。従来は、電子回路CAD上で回路設計を行い、基板CADで基板の開発を行い、基板製作については専門の会社に外注するという工程であった。外注には費用と時間がかかるため小規模な開発には向いておらず、また教育環境として外注を前提とすることは現実的ではないため、まず、基板加工機を導入し全行程を実験室内で行えるようにした。次に、設計した回路図から、最終的に基板加工機への入力データを作り出すまでの工程を見直した。基板CADに操作が簡単で直観的な無償のプリント基板エディタPCBEを採用した。次に、PCBEが出力するガーバーデータを基板加工機だけでなく一般的なCNCでも利用できるようGコードに変換するCAMソフトウェアの開発を行った。本ソフトウェアでは、PCBE上で設計中の基板図面がリアルタイムに基板の切削パターンとして見られるようになるため、非常に素早く開発を行うことができるようになった。
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