本研究では、ロボットを構成する要素を、大学教育における学科と関連付け、(1)機械系、(2)電気系、(3)情報系、と3つに大別し、それぞれについてものづくりとしてのプラットフォームを構築していく。これまで、まず、機械系に焦点をあて、構造開発におけるボトルネックを明らかにし、3DCADとしてGoogleSketch Up(現Trimble社 Sketch Up) を利用したシステム構築を行い、評価を行った。次に、電気系に焦点をあて、電子回路開発全行程におけるボトルネックを明らかにし、改善を図った。 本年度は、情報系に焦点をあて、開発能力向上のためロボットシミュレータの開発及び評価実験を行った。具体的には、ロボットシミュレータとして、独立二輪駆動型ロボットをベースに実装した。本シミュレータの特徴は、シミュレータと実機で同一のプログラムソースを利用できるところにある。ロボットシミュレータは、駆動用モータを中心とする機構的な物理シミュレート部、ラインセンサ、オドメトリ取得用のロータリエンコーダ等のセンサシミュレート部、制御の中心となる主演算機シミュレート部、モータドライバ等の副演算機シミュレート部の4部から構成される。これらにより、実機とロボットシミュレータで同一のプログラムソースを利用することが可能となり、実機での試行錯誤回数を抑え、効率的にロボット開発を学習及び実施することが可能となった。
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