本研究は、これまでほとんど実績のない、政策決定に関わる現役世代に対する環境教育プログラムの開発を試みたものである。研究の結果、環境教育プログラムにおける教え-教えられる関係を転倒させることの重要性が、水俣地元学の思想と手法の分析から得られた。また、生活者自身が、自らの経験を学習資源として活用しながら風土に根ざした暮らしとその変容を理解し、暮らしをこれからどう作っていくのかについて、参加を伴う自己決定型学習の有効性が明らかになった。同時に、プログラム開発に成人学習論の視点を生かすことの有用性が確認できた。
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