| 研究概要 |
本研究は、高等教育におけるレポート評定値と内容の類似度を可視化する「レポート採点支援システム」(椿本・柳澤・赤堀2007)の試行版をふまえて、大学教育現場で実際に活用可能なシステムの構築と評価を行う。具体的には「システムが各レポート内容の類似度及び自動的に付与した仮評定値を2次元マップ上に可視化し、人間の採点者は、可視化結果から評定に精査が必要な文書のみを効率的に閲覧し、何度でも評定を微調整できる」システムを構築する。
そこで本研究では,レポート採点者が対話的に操作可能なアプリケーションとしてのレポート採点支援システムを開発した。システムには(1)レポートファイルのアップロード機能、(2)計量テキスト分析ソフトウェアKH Coder(樋口2004)および形態素解析器ChaSenを用いた自然言語処理機能 (3)単語×レポート文書マトリクス作成機能、(4)レポート文書の類似度可視化機能、(5)システムとユーザの間で、評定値を対話的に何度でも修正できる機能、(6)コサイン類似度を利用した剽窃発見機能、(7)評定結果のダウンロード機能、を実装した。日本語のWindows OS上で動作する。システムにはインストーラを付与し、KH CoderやChaSenがインストールされていない環境においても、ワンクリックで本システムおよび付随するこれらのツールをインストールすることが可能である。
来年度はシステムの評価を実施する。主に(1)システムを利用して付与された評定値の妥当性、(2)可視化結果の妥当性、(3)各機能におけるユーザビリティ、等に関して検証を行う予定である。
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