研究概要 |
本年度は,以下の通り研究を進めた.まず,授業コンテンツの配信サーバシステムの構築を行った.これまでは既存のシステムを用いていたが,手書きアノテーションによる授業観察を実施するためには,ユーザのインタラクティブな作業を可能とする環境を用意する必要がある.Adobe Flashをベースとしたシステムを用意するために,FMS(Flash Media Server)を利用することとした.Linuxの配信サーバを用意し,配信サーバのインストールと設定を行った. 次に,当該サーバ上に授業コンテンツを配信するシステム(Wow4moodle)の実装を行った.既存のeラーニングシステムを用いた授業コンテンツは,レイアウトが固定されていることが多く,受講者が自由に配置を変更したり,ノートやメモといった新たな素材を追加することが困難であった.このため,授業観察による手書きアノテーションの追加や,既に実施された授業観察のデータを同期して再生することを可能とする必要がある.開発したWow4moodleは授業ビデオとスライド等の資料,ならびにアノテーションの領域を自由に複数配置することが可能である.これにより,ビデオコンテンツの配信に必要な環境を整えた. また,授業観察者の視点を調査するとともに,システム評価に用いるためのアイトラッカー(DITECT社製View Tracker)を導入した.装着型の機器を用いた視線計測はある程度の習練を要する上,特性や計測精度の限界,被験者や計測対象の適不適がある.実際の計測を繰り返し行った上で,これらの点を整理した.
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