研究概要 |
本年度は,以下の通り研究を進めた.まず,授業観察のための映像選択と収録に関する検討として,実際に2011年9月に開講された集中講義において,担当教員の協力を受け複数の被験者による授業観察の実践を行った.授業観察に関する経験・知見のある被験者と,未経験者がそれぞれ教室内で実施するとともに,複数カメラ映像を用いて当該授業を収録した.これらの映像の提示とインタビューを実施し,授業観察における観点と気づきに関する差異について整理した. また,視線情報に基づくインタフェースの分析について,上記実践において視線計測装置を用いて視点の収集を行った.これらの結果から,授業観察における視野と視点を定量的に分析し,授業配信システムの機器構成やレイアウトに反映させるための方針を見いだした.その他にも,学習者の視線や座学・実験などの異なる条件における視線などの計測を通じて,授業観察に特有の視点があるか比較を行った. 前年度までの成果と併せて,これまでに得られた結果を報告するために国内外における研究発表や研究紹介・デモを進めた.査読付き研究集会での採択と幅広い参加者との議論などを通じて,本研究の意義や有用性について確認することができた. ただし,学内における組織的な実運用については,ビデオ講義と授業観察の展開に関する方針の転換があったため,一部実施に困難な点があった.このため,研究期間終了後も成果報告を継続する予定である.
|