研究概要 |
本年度は,個別・一斉学習と協調学習の統合モデルの構築とオーサリングシステムの拡張を行うと共に,メタ認知プロセス支援機能の設計のベースとなる指導案作成におけるメタ認知プロセスモデルの構築の構築を行った. (1)個別・一斉学習と協調学習の統合モデルの構築とオーサリングシステムの拡張 OMNIBUSオントロジーを協調学習オントロジーで拡張することで個別・一斉学習と協調学習の統合モデルを構築する基盤となる統合OMNIBUSオントロジーを構築し,SMARTIESを拡張した.また,協調学習オントロジーですでにモデル化されている8個の協調学習理論を統合OMNIBUSオントロジーで拡張してモデル化することで,提案する枠組みで個別・一斉学習においても協調学習においても設計のガイドラインとなる教授設計知識を蓄積できることを検証した. (2)指導案作成におけるメタ認知プロセスモデルの構築 メタ認知プロセスモデルの構築に当たっては,茅島らによる認知活動の二層モデルを参考にする.このモデルは問題解決における認知活動を上下の二層に分け,下層を問題解決の対象に対する認知活動とし,上層を下層の認知活動を対象とした認知活動(すなわち,ここがメタ認知活動を表す)としている.このモデルの特徴は,それぞれの層での活動の種類は変わらず,普通の認知活動とメタ認知活動の違いは,対象が異なる(問題解決の対象または自分の認知活動)だけであると仮定している点である.この二層モデルと対応づけて指導案を本研究の基盤技術である目的分解木として考えることでメタ認知プロセスモデルを検討した。ここでは,現職の教師のグループと共同して,SMARTIESを利用した学習指導案のモデルを提示して,それに対する反応を見ることで,そこで起こっているメタ認知プロセスを推定した.
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