研究概要 |
まず,教育評価方法であるが,医学教育の中でも内視鏡などの画像診断教育では,一定水準以上の臨床診断・推論能力を習得することを目的とする学習者個々の評価が重要であり,それを踏まえた個別化教育が必要とされる.そこで内視鏡教育における個別化教育に適した教育評価方法を考案した.学習者を「多次元ベクトル」として捉え,その学習者を統計的パターン認識により「可視化」する方法である.分析過程中に可視化により人間の直観を取り入れた対話型解析を行っていることも特徴である.模擬データを用いて実験を行った結果,解答が類似したいくつかの集団の傾向を捉えることができた.本教材を学習した医学生の学習履歴データの一部を用いて予備的実験を行った結果,模擬データを用いた実験と同様に,解答が類似した,すなわち解答の誤り方が類似したいくつかの集団を捉えることができた.これにより,これらの類似集団に対する個別化教育が期待できる. 次に,実装環境であるが,本教材を安全で使いやすい最適な学習環境で利用するためには,LMS (Learning Management System)サーバに関するセキュリティ強化の度合いを適度に保たなければならない.本年度は,事前準備として基礎的なデータを取得するために,LMSサーバのパフォーマンスを測定した.JMeterというツールを用いて,同時アクセスを仮想的に実現し,負荷テストを行った.スループットと応答時間の測定結果から,現在の環境で学習できる同時利用者数の見通しを得ることができた.
|