研究概要 |
カードゲーム形式で問題を解かせるドリル型の学習教材について,その構成に関する知識整理[1][2][3]を行い,その知識に基づいて,学習教材を教師や学習者の要求に応じて生成・分析するシステム[4]を,研究成果として実現した. [1]学習用カードゲームのルール記述語句の整理 これまでの研究で,学習用カードゲームを構成する要素を性質や機能で整理した知識の構築を達成していた.その整理された知識と,一般的にカードゲーム世界の説明に用いられる文章との間にあるギャップをis-aやpart-ofなどの関係を用いて埋め,学習用カードゲームに親しみのない者にも理解が可能となるよう整理した. [2]学習発生要因の解明およびその要因と学習用ゲームの構成要素との関係の整理 実験等を通して,学習用ゲームにおいて学習はなぜ発生するのかを明らかにした.さらに学習発生要因と学習用ゲームの構成要素の関係を整理した. [3]学習発生要因に関する分析を行うアルゴリズムの構築と実装 学習発生要因についての知識を利用し,実際の学習用ゲームを学習活動の発生という観点から分析するアルゴリズムを構築した. [4]学習用カードゲーム生成システムの改良と実践的評価実験 上記の成果を,以前開発した学習用カードゲーム生成システムに組み込み,改良した.また,その有用性を実戦使用により確かめた. これらの成果により,特に知識のないユーザであっても,Webブラウザ上で動作する学習教材を,機械的な入力作業で簡単に入手することができるようになった. また,このシステムで生成された学習用カードゲームに加え,既存の学習用カードゲームであっても,その学習発生要因について特徴分析ができるようになった.運用が容易になることに加え,改良にも役立てることができる.
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