研究概要 |
大学SNSのブログに蓄積された学生の経験情報から、有意義な学生生活を送ることによって身に付けられる「経験知」を創出し、情報の共有.継承を促す学習支援型SNS(Social Networking Service)の基盤機能として、「1.ブログに埋もれた経験知をタグによって創出する機能」および、「2.回帰的ソーシャル・ブックマークによって各時期に注目すべき経験知を提示する機能」を開発した。機能1では、従来のSNSのブログ機能を拡張し、各ユーザがブログ投稿時に主観に基づいて複数個のタグを設定できるように実装した。さらに、異なるユーザ間でのブログの共有が容易になるように、SNS全体で投稿されたブログのうち、関連するブログ同士に自動的にリンクを生成し、構造化を行った。また、機能2では、大学生が毎年学生生活で直面する問題や出来事の共通性・循環性に着目し、後輩学生が必要とするタイミングで経験知を提供するために、ネットワーク上にブックマークを保存するソーシャル・ブックマーク機能を応用し、一昨年同時期に付与されたソーシャル,ブックマークのログを基に、各時期において注目度の高いブログを抽出できるようにした。これらの機能をテスト環境で実装するのと並行して、福井県の高等教育機関が連携して構築した大学SNS(FレックスSNS)の運用にも携わった。今後は、これまでの運用で大量に蓄積されたFレックスSNSのデータ分析を検討している。また、機能1、2に「3.ユーザの関心,要求に応じて、レコメンデーションする機能」を加え、現在開発を行っているテスト環境から実運用環境に移行し、各機能の効果を検証する予定である。
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