対面式の授業にe-Learningを取り入れたblended learningにおいて、学習者がWorld Wide Web(Web)の情報を利用するということがよく行われている。その際、学習者の学習状況を教師が把握するが難しい、また、膨大な情報の中から学習者が自分の求めるものを見つけるのが難しいといった問題が発生していた。 本研究では、これらの問題を以下の仕組みを実現するシステムやサービスを研究・開発することによって解決した。 第1の仕組みは、学習者のWeb利用情報を学習者本人や教師が参照するというものである。この仕組みは、学習者が自分の制作物をアップロードして公開できるようなソーシャルサービス(例:YouTubeやFlickr)を活用し、互いの学習状況や成果物を閲覧したり評価したりすることができるサービス、学習者のWeb上での振る舞いをその人間関係(ソーシャルグラフ)を利用して整理するシステムによって実現した。 第2の仕組みは、複数の学習者のWeb利用情報から知識を創発させるというものである。この仕組みは、学習者が集団で構造データを構築するシステム、集団としての学習者が持つ知識構造を可視化するシステム、学習状況に応じて学習内容が自動的に変化するようなゲームの提案(ソーシャルゲームラーニング)とプロトタイプによって実現した。 第3の仕組みは、学習者が閲覧するWeb情報の一部(検索結果等)を学習状況に合わせて調整するというものである。この仕組みは、第1の仕組みためのソーシャルサービスを活用するシステムと、Web上のコンテンツに対する学習者(閲覧者)の反応をもとにコンテンツのタグ付けを行うシステムによって実現した。
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