研究概要 |
提案するオンライン試験手法の実用性を検証するために,本手法を用いた授業の実践を行った.具体的には,多様な学習経験を持つ学習者に対して,高い理解度の実現と自己学習力の涵養が期待できるセルフラーニング型授業において,本手法を用いて教育効果の改善を試みた.ここで,セルフラーニング型授業とは,学習者個々人が,それぞれの予備知識や経験に応じて学習メニューを選択し,各入のペースで学習活動を教員の支援により行うタイプの授業である.実践した授業は,大学のコンピュータ教室内で毎週定期的に実施する実習授業であり,授業の各回をセルフラーニング型授業として設計したものである. 実践授業の改善のために,オンラインの小テストを授業時間中に受験し,授業内容について一定の理解が確認できるまで復習と小テストの受験を繰り返すという活動を導入した.この小テストは,教材などの参考資料の参照を許さない条件下で実施することが求められ,本オンライン試験手法を用いることで,これに応えた,また,本手法の実装を工夫することで,同一教室内に,学習のためのスペースと小テスト受験のためのスペースの構築することができた.以上の成果については,学会発表を行った. 多様な学生を対象とする現代の高等教育において,セルフラーニング型授業は,有効な授業形態の一つである.今回,セルフラーニング型授業の実施や教育改善を支援する技術として,本オンライン試験手法が有用であることを確認できたことは,本手法の実用性を検証するという目的に対して十分に意義のある結果である.
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