本年度は学習成果可視型eシラバス作成支援システムのプロトタイプの予備的システムの設計・構築を行った。 第一に本システムのユーザーとなる大学の教員からヒアリングを行った結果、学習成果を可視化するシラバスを作成するために基本的だが、重要な学習成果の定義、学習成果を表す用語、学習成果の測定方法などへの理解度が低いという結果が得られた。このことから、学習成果情報を記載したシラバスを作成するにはまずは、教員が他の教員や他大学の学習成果情報を検索できる環境を整える必要があるという知見が得られ、学習成果の可視型シラバスを作成するための必要な学習成果情報の需要性が高い一方で、それらの情報を検索するシステムが存在せず、第一歩として情報検索エンジンの構築の必要性が認められた。この結果から、学習成果情報検索エンジンを構築し、その検索結果をシラバスに引用できる予備システムの構築を行った。検索リソースは、現時点で最も情報量が豊富と考えられる機関別大学認証評価情報を使用し、ユーザーが任意の検索フレームワークを設定し、設定に従って、情報が検索できるシステムとした。ユーザー任意の検索フレームワークの他、ユーザーヒアリングの結果抽出されたニーズの高いカテゴリーに従って検索できる機能を構築した。 ・大学別・大学種別・評価基準別・評価結果別・キーワード検索 検索エンジン構築後、5名の教員を対象に検索エンジンのテストトライアルを実施し、フィードバックを求めた。 この結果、キーワード検索の機能をもう少し充実させ、ユーザー任意のキーワードの他に、過去の検索履歴をもとに検索キーワードを提示する機能についてのニーズが複数回答として得られた。このことから、その機能を加える改善を行った。
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