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2012 年度 実績報告書

東アジアにおけるインド・パシフィックビーズの材質と流通に関する科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22700851
研究機関独立行政法人国立文化財機構・奈良文化財研究所

研究代表者

田村 朋美  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (10570129)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードインド・パシフィックビーズ / 非破壊元素測定 / 関東・東北 / 高アルミナソーダ石灰ガラス / 時期変化 / アリカメドゥ
研究概要

本研究では日本で出土するインド・パシフィックビーズについて非破壊元素測定をおこない、材質と着色材の関係からその歴史的変遷について明らかにすることを目的とする。平成24年度は関東・東北地方の資料を中心に製作技法および化学組成の分析調査を実施した。調査対象とした資料は、千葉県、埼玉県、福島県所在の遺跡から出土したガラス小玉約500点であった。また、最終年度である本年度はこれまで蓄積したデータから、弥生時代と古墳時代のインド・パシフィックビーズの化学組成を比較検討した。
インド・パシフィックビーズのうち、高アルミナソーダ石灰ガラス製のものは、コバルト着色による淡紺色、錫酸鉛と銅イオンによる黄緑色、銅コロイドによる赤褐色を呈するものが弥生時代および古墳時代の両時期に流通した。このうち、黄緑色と赤褐色のものは、弥生時代と古墳時代で基礎ガラスの化学組成がやや異なることが分かった。日本に流入した高アルミナソーダ石灰ガラス小玉の生産地が時期によって異なる可能性がある。とくに、弥生時代の黄緑色および赤褐色を呈するインド・パシフィックビーズは、典型的な高アルミナソーダ石灰ガラスに比べて酸化アルミニウムが少なく、酸化カルシウムが多い。さらに、酸化カリウムと酸化マグネシウムの含有量が多いという特徴を有する。このような弥生時代の黄緑色および赤褐色ガラス小玉と類似の特徴をもつガラス小玉がインドのアリカメドゥで特徴的に出土している。これらはアリカメドゥタイプのソーダ石灰ガラスと呼ばれ、一般的な高アルミナソーダ石灰ガラス(High-alumina mineral-soda glass: mNA)との差異が強調されている。アリカメドゥタイプのソーダ石灰ガラスには黄緑色、赤色、および黒色が多いとされており、弥生時代の類例も黄緑色および赤褐色であることから、アリカメドゥタイプに対応する可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] カンボジア王国クラン・コー遺跡出土のガラス小玉の自然科学的調査2012

    • 著者名/発表者名
      田村朋美
    • 雑誌名

      奈良文化財研究所紀要2012

      巻: 2012 ページ: 12-13

  • [雑誌論文] 日本列島における植物廃ガラスの出現と展開2012

    • 著者名/発表者名
      田村朋美
    • 雑誌名

      文化財論叢

      巻: IV ページ: 1367-1384

  • [学会発表] 日本出土インド・パシフィックビーズの化学組成の時期変化に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      田村朋美
    • 学会等名
      日本文化財科学会第30回大会
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      20130706-20130707
  • [学会発表] 弥生・古墳時代のナトロンガラス製玉類の考古科学的研究2012

    • 著者名/発表者名
      田村朋美・高妻洋成
    • 学会等名
      日本文化財科学会第29回大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2012-06-23

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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