研究概要 |
本研究では,地下水が流動する際に発する微弱な音波を地表面から集音し,簡便かつ迅速に地下水の水みち位置を特定することで,「遊牧民が日常的に利用する浅井戸をどこに掘れば生活に十分な水量が得られるか」という問題を解決することを目的とする。 平成22年度はモンゴル国・バヤンオンジュール地区にて調査を行った。村長・カムスレン・エンクタイワン氏の案内の元,バヤン-オンジュール村管区内1600km^2(香川県の面積に相当)にある井戸約40カ所の水深・水質・水音・植生などを調査し、バヤン-オンジュール内の地下水環境を明らかにするとともに、豊富な湧水の得られる井戸位置の選定を行うための基礎的資料を得た。また、地下水資源の枯渇の原因は家畜のための揚水過多であり、家畜の糞尿によって水質も悪化していることが明らかになった。エンクタイワン氏とは放牧の在り方や今後揚水制限の必要性について議論した。
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