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2010 年度 実績報告書

ヒト人工がん幹細胞の樹立と悪性脳腫瘍モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 22700865
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大西 伸幸  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40534540)

キーワードグリオブラストーマ(GBM) / 神経幹細胞(NSC) / 活性型H-RAS / 活性型EGFR / 活性型ALK / 発がんマウスモデル
研究概要

悪性脳腫瘍、特にグリオブラストーマ(glioblastoma multiforme : GBM)の性状を理解し新たな治療戦略を考案するために様々な発がんマウスモデルの構築が進められている。神経幹細胞(neural stem cell : NSC)が自己複製能・多分化能を持つことから脳腫瘍の起源細胞の一つと考えられていることや、Ink4a/Arf遺伝子の欠失・変異またはRasシグナルの活性化がGBMにおいて頻繁に見られることから、我々はInk4a/Arf欠損マウスNSCにレトロウイルスを用いてGBMの悪性化に関与すると思われるがん遺伝子(活性型H-Ras,活性型EGFR,活性型ALK)を導入し同系マウス脳内に移植することで悪性脳腫瘍モデルの作製を行った。導入するがん遺伝子の違いにより形態が大きく異なる脳腫瘍をそれぞれ作製することができ、免疫染色の結果から、これら脳腫瘍は未分化マーカーや分化マーカーの発現に違いがあり、性質の異なる脳腫瘍であることが分かった。次に、ヒトGBMマウスモデルの構築を目的に、まずは野生型マウスNSCを用いた実験を行った。野生型マウスNSCにshluci,shInk4a/Arf,shp53 RNAをそれぞれ導入し、shluci-,shInk4a/Arf-,shp53-WT NSCを構築した。それぞれの細胞に活性型ALKを導入し同系マウス脳内に移植することでInk4a/Arf欠損マウスNSC同様に悪性脳腫瘍を作製することができた。shInk4a/Arf-,shp53-WT NSCに比べてやや時間はかかったがshluci-WT NSCからも腫瘍が作製できたことから、野生型NSCへの単一遺伝子導入による発がんモデルが構築できることが示唆された。現在、この野生型NSC発がんモデルの構築を進めており、ヒトGBMマウスモデルへと繋げていきたいと考えている。

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公開日: 2012-07-19  

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