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2010 年度 実績報告書

癌細胞の糖代謝亢進による細胞内シグナル伝達制御の分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22700868
研究機関北海道大学

研究代表者

小野寺 康仁  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90435561)

キーワードWarburg効果 / 糖代謝 / シグナル伝達 / 乳癌 / 3次元培養
研究概要

本研究は、糖代謝経路によるoncogenic signalingの制御に関するメカニズムの解明を目的とし、特にO-GlcNAc修飾経路の役割に着目して解析を行うものとして開始した。当初の状況では、糖代謝経路とシグナル伝達経路の相互作用に関するメカニズムとして、ヘキソサミン合成経路の重要性を明らかにしていたが、さらに下流で関与する経路の特定までには至っていなかった。
平成22年度に行った研究の結果により、ヘキソサミン合成経路の下流においてO-GlcNAc修飾酵素として機能するOGT(O-GlcNAc transferase)が、癌細胞の表現型(シグナル活性や糖代謝活性の亢進、上皮極性の喪失など)に必須であることが明らかとなった。これは、様々な乳癌細胞を用いた3次元培養系や、乳癌患者検体のマイクロアレイ解析等の結果によっても裏付けられている。
上記の結果は、今後の研究を進めていく上で基盤となる最も重要な情報であり、平成23年度に行う研究が意味のあるものであることを保証するものである。正常乳腺上皮細胞とそれに由来する癌細胞の比較により、どの蛋白質が癌細胞特異的にO-GlcNAc修飾を受けており、その修飾がどのような意味を持つのか、順次明らかにしていく予定である。これにより、癌の治療や予防における新たな分子標的の提示ができるものと期待している。また、組織構造の形成や維持における糖代謝の意義について、新たな側面が明らかになるものと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Breast cancer cells in three-dimensional culture display an enhanced radioresponse after coordinate targeting of integrin alpha5beta1 and fibronectin.2010

    • 著者名/発表者名
      Nam JM
    • 雑誌名

      Cancer Res

      巻: 70 ページ: 5238-5248

    • 査読あり
  • [学会発表] Intracellular trafficking and glucose metabolism in tumor malignancy2010

    • 著者名/発表者名
      小野寺康仁
    • 学会等名
      BMB2010
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸市)
    • 年月日
      2010-12-09
  • [学会発表] Roles of intracellular trafficking and glucose metabolism in tumor malignancy2010

    • 著者名/発表者名
      小野寺康仁
    • 学会等名
      第69回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] Intracellular traffic and glucose metabolism in tumor malignancy2010

    • 著者名/発表者名
      小野寺康仁
    • 学会等名
      第62回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪市)(招待講演)
    • 年月日
      2010-05-20
  • [学会発表] 癌細胞の休眠と再活性化:糖代謝と小胞輸送の関与2010

    • 著者名/発表者名
      小野寺康仁、佐邊壽孝
    • 学会等名
      第2回シグナルネットワーク研究会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター(吹田市)
    • 年月日
      2010-05-14

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公開日: 2012-07-19  

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