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2010 年度 実績報告書

大腸がんにおける遺伝子発現異常の分子機構と意義

研究課題

研究課題/領域番号 22700874
研究機関東京大学

研究代表者

西村 教子  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任助教 (30514567)

キーワードEHF / p53 / 大腸がん
研究概要

我々はこれまでに、細胞のがん化に伴い遺伝子発現パターンに劇的な変化が生じる機構と意義を解析し、ヒト大腸癌細胞はEHFを高発現することにより、p53依存性のアポトーシスを回避していることを見出した。本研究では、EHFが大腸癌で高発現する分子機構、p53の機能を抑制する分子機構を明らかにすることを目的としている。
まず、EHFの発現を制御する因子を探索するために、転写因子を中心としたRNAiライブラリーを用いて、網羅的なRNAiスクリーニングを行った。結果、大腸がん細胞において、転写因子であるFOSL1やヒストンメチル化に関与するMLL2やASH2LなどがEHFの発現を制御していることが明らかとなった。さらに、ChIP法を用いて、EHFプロモーターへの直接結合を確認したところ、FOSL1がEHFのプロモーター上に直接結合していることが明らかとなった。今後、MLL2とASH2LのEHFプロモーターへの結合をそれぞれ確認すると共に、ヒストンメチル化によるEHFの発現制御機構の解明を行いたいと考えている。
次に、EHFの発現抑制によるアポトーシス誘導機構の解明を行うために、p53発現について検討したところ、EHFの発現抑制によってp53タンパク質が安定化することが明らかとなった。さらに、EHFの発現を抑制することによってMDM2の発現量が減少すること、EHFを強制発現するとMDM2の発現量が劇的に増加することが明らかとなった。このとき、EHFの発現抑制、及び強制発現によって、MDM2のmRNAレベルは変化しないことが明らかとなった。これまでの研究により、MDM2はユビキチンライゲースであり、p53タンパク質の安定化に寄与していることが明らかとなっている。そこで我々は、EHFはMDM2を介してp53タンパク質の安定化に寄与し、大腸がん細胞におけるアポトーシスの制御を行っていると考え、EHFとMDM2の免疫沈降実験を行った。その結果、EHFとMDM2は直接結合することが明らかとなった。
今後は、EHFによるMDM2タンパク質の安定化機構の解明を行うことにより、EHFがp53の機能を抑制する分子機構を明らかにする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Activity-dependent ubiquitination of the AMPA receptor subunit GluA2.2011

    • 著者名/発表者名
      Marc Lussier, Yukiko Nasu-Nishimura, Katherine Roche
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience

      巻: 318 ページ: 3077-3081

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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