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2011 年度 実績報告書

内皮活性化転写因子Egr-1、Egr-3の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22700875
研究機関東京大学

研究代表者

末弘 淳一  東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (80572601)

キーワード血管内皮活性化 / VEGF / 転写因子Egr / 転写因子NFAT
研究概要

標的遺伝子の機能解析:昨年度Egr-3、NFATcの共通した標的遺伝子として見出したRho family GTPase 1(RND1)をsiRNAによりノックダウンし、その機能を解析した。2種類の異なる配列を標的としたsiRNAを用いて検討したところ、RND1の抑制により増殖・遊走・管腔形成能が著しく損なわれた。RND1はGTPase活性を持たず常にGTP共役型として存在し、p190 RhoGAPを介してRhoAの不活性化させるとの報告がある。この知見より、siRNAによるRND1ノックダウンにおいて、活性化型Rho Aのpull down assayを行ったところ、コントロールに比して活性化型RhoAが増加することが示された。RhoAを介した内皮細胞のバリア機能に影響を及ぼすことが推察されたことから、ボイデンチャンバーを用いた血管透過性の検討を行ったところ、RND1の非存在下では内皮バリア機能が損なわれた。以上より、Egr-3はNFATと協調してRND1の発現制御に関わっており、血管恒常性にかかわる機能を調節していることが明らかとなった。
個体レベルの解析:Egr-1ノックアウトについてB16メラノーマによる固形腫瘍モデルにて解析を行ったところ、野生型マウスに比してノックアウトマウスでは腫瘍進展に差異が見られなかった(preliminary data)。以前、我々はmiRNAを用いたEgr-3抑制下での固形腫瘍進展については血管新生阻害による腫瘍抑制効果があることを報告しており、本実験よりEgr-1、Egr-3間で個体レベルの機能に差異があることが示された。現在、Egr-3コンディショナルノックアウトマウスは作製段階であり、樹立次第マウス間での比較検討を行い、Egr-1、Egr-3のin vivoにおける差異がどのようなメカニズムによるものか明らかにしたい。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ets family members induce lymphangiogenesis through physical and functional interaction with Prox12011

    • 著者名/発表者名
      Yoshimatsu Y, Yamazaki T, Mihira H, Itoh T, Suehiro J, et.al.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 124 ページ: 2753-62

    • DOI

      10.1242/jcs.083998

    • 査読あり
  • [学会発表] Genome-wide analysis revealed NFATc-regulated genes in VEGF-activated endothelial cells2012

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Suehiro, Yasuharu Kanki, Tatsuhiko Kodama, Takashi Minami
    • 学会等名
      Keystone symposium Angiogenesis : Advances in Basic Science and Therapeutic Applications (A3)
    • 発表場所
      Snowbird resort (U.S.A)
    • 年月日
      2012-01-19
  • [学会発表] Genome-wide analysis revealed NFATc-regulated genes in VEGF-activated endothelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Suehiro, Yasuharu Kanki, Tatsuhiko Kodama, and Takashi Minami
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2011-12-15
  • [学会発表] Genome-wide analysis revealed NFATc-regulated genes in VEGF-activated endothelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Suehiro, Yasuharu Kanki, Tatsuhiko Kodama, and Takashi Minami
    • 学会等名
      第19回日本血管生物医学会学術集会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス
    • 年月日
      2011-12-09
  • [学会発表] 血管内皮増殖因子による活性化内皮細胞における転写因子NFATc結合部位の網羅的解析2011

    • 著者名/発表者名
      末弘淳一、南敬
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2011-10-03
  • [学会発表] Genome-wide analysis of NFATc binding sites in endothelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Jun-ichi Suehiro, Tatsuhiko Kodama, Takashi Minami
    • 学会等名
      9th Japan-Korea joint Symposium on Vascular Biology
    • 発表場所
      The Westin Chosun Hotel (Korea)
    • 年月日
      2011-08-26
  • [図書] 血管生物医学事典2011

    • 著者名/発表者名
      日本血管生物医学会(末弘淳一, 他)
    • 総ページ数
      489
    • 出版者
      朝倉書店
  • [備考]

    • URL

      http://www.vb.rcast.u-tokyo.ac.jp/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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