悪性リンパ腫幹細胞の探索・同定のため、患者検体を用いてNOGマウスでの悪性リンパ腫モデルの作製を行った。マントル細胞リンパ腫の腫瘍細胞は肝臓・脾臓・骨髄など全身の臓器に浸潤し、腹腔内にも巨大な腫瘤を形成した。またその腫瘍から得られた細胞は新たなNOGマウスへの継代が可能であった。また、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫のNOGマウスモデルについては、継代移植したマウス体内において形成された腫瘍と患者の腫瘍につき分析の結果、患者の腫瘍と初代から4代目までのNOGマウスでの腫瘍はみな同一のクローンであることが示された。そして2代目以降は初代のマウスでみられたようなB細胞や形質細胞、γグロブリンの産生など、反応性の要素が消失しており、NOGマウス体内で腫瘍細胞が造腫瘍能を徐々に増強していったと考えられた。
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